8日目
ホニングスヴォーグを出港し『MS Nordlys』は幾つかの港に立ち寄り、『HURTIGRUTEN』北の終点『キルケネス』に向けて航行中です🚢残念ながら『MS Nordlys』上からの『オーロラ』鑑賞は果たせませんでしたが、最終日『サーリセルカ』に希望を託したいと思います!
終点『キルケネス』到着!
『キルケネス』は人口約3,500人程の街ですが、周辺の村々を含めると人口約8,000人が居住する地域です!ノルウェー極北、『ロシア国境』付近(国境まで約7km)に位置し、およそ400km北に『北極点』があります。ノルウェーの大半の都市とは異なり、『キルケネス』は『フィンランド』より東に位置するため、フィンランドに入国すると西へ進んだにも関わらず時差の関係で時計を一時間進めることになります!このあたりはノルウェー、フィンランド、ロシアの三国が一点に集まり、時差も『三者三様』なため、その『点』の周辺は三つの『標準時』がひしめく世界でも極めて稀な地域です。しかし法律により、ノルウェーとロシアは自由に国境を行き来することが出来ないため、国境を越えロシアへ入国する際は国境警備隊の車両でロシア入りするそうです!
また、キルケネスは『HURTIGRUTEN』の起点・終点であり、毎日『ベルゲン』との間で船が行き交います!近くには空港もあり『オスロ』や『トロムソ』との間に直行便が就航してます!!『ボードー』『トロムソ』と同じく毎年5月17日から7月21日にかけて『白夜』となり、反対に11月21日から1月21日にかけて『極夜』になります!沿岸部に位置するにも関わらず気候は『大陸性』で平均気温は低く、冬期は-40℃を下回ることもあるそうです!極北に位置しながらも『不凍港』であるため、産業の中心は海運(船舶修理業)や水産ですが、現在はロシアの巨大マーケットに照準を合わせた企業の進出や『バレンツ海』での石油掘削事業が順調のようです!
現在の国境が定められるまで、キルケネスはノルウェーとロシア双方が影響を及ぼしあった地域です!地名の『キルケネス』は『教会の岬』という意味を持ち、街にはその起源となった教会が置かれています!第二次世界大戦時のナチスによる占領中、キルケネスにはドイツ軍の基地が置かれ、戦線に物資を供給する総本部となりました!320回という数多くの空襲を受け、インフラ網のほとんどが破壊され、大戦直後は僅か13件の民家を残すのみだったそうです!
今でも市街のすぐそばには軍事基地があり、ロシア国境沿いの警備と不法移民及び国境をまたいで行われる違法行為全般の取り締まりが行われております!街の近くに『アナースグロッタ』という第二次世界大戦中に建造された『シェルター』があり、人口をゆうに超える9,000人を収容できる規模です!現在、街は極めて平穏ですが、国境に接することによる緊張感と、侵略侵攻の歴史は、大戦とその後も続く冷戦時代の爪痕が色濃く残る印象を持ちました!
『キルケネス下船』🚢
埠頭も道も凍り付いてました!『MS Nordlys』大変お世話になりました!下船後は陸路を3時間ほど移動し、国境を越えフィンランドの『サーリセルカ』へ向かいます!
乗船中はこのカードが『ルームキー』でもあり、飲食、乗下船時の管理もこの一枚で行われます!路面が『シャーベット状』に凍結しているため、バスには日本では使用が禁止されている『スパイク』付きの『スタッドレスタイヤ』が装着されてます!
港より望むキルケネス!
丘の上には『ロシア記念碑』が建てられ、キルケネスが一望できます!
ロシア記念碑と周辺の景色!
丘を下るとキルケネスの中心地です!そばには『キルケネス教会』があります!冬場はスパイクタイヤを装着して走行するためか、舗装の傷みが激しいです!
キルケネス教会!街の名称『キルケネス』=『教会の岬』の起源となった教会です!
丘の上に広がるキルケネスの住宅街!道幅も広く整備され眺望も抜群です!
外階段の名残でしょうか?上下階に扉のある不思議な家を発見しました!
ノルウェーは全体的に住宅街の幹線は『舗装路』ですが、枝線に関しては『未舗装路』多いです!そう感じるのは日本の舗装率が他の国に比べて高いのかも知れません!
ノルウェーでは『瓦葺』の屋根を頻繁に見かけます!日本の『瓦』とは材質も異なるとは思いますが、『北国の屋根』=『北海道の住宅の屋根』をイメージしていたので意外でした!
キルケネスの集合住宅です!
新築、改修工事も行われてました!
キルケネスの街を抜けバスは一路『国境』を目指します!
キルケネスの郊外の景色
現在鉄道は無いはずですが『線路』が敷設してありました🚃
道中『いすゞ』『スズキ』の看板を掲げた販売店を見掛けました!遠く極北の地でも日本製品が愛されていることに、日本人であることの誇りを感じました!
国境の数km手前で小型バスの『転覆事故』に遭遇しました!昨日の『ノールカップ』の道中にも触れましたが、とにかく『欧州の方はスピードを出します』!この小型バスが事故に至るまでのタイヤ痕を見ましたが、緩やかなカーブをかなりの速度超過で進入し、曲がり切れずにコントロールを失い路肩に転覆した模様です。欧州では速度超過による単独事故は多いようです!エアバッグなどの安全装備が早い段階から採用された理由も頷けます!これ程の派手な事故にも関わらず乗員は全員ご無事のようで何よりでした!
『ノルウェー』『フィンランド』国境!『ゲート』も無く、福岡県から佐賀県へと県境を跨ぐような感覚です!交差した赤い棒が国境です!道路部分のみが開放され、それ以外は国境に沿って『柵』が張られてます!冒頭お伝えしたとおり、キルケネスより西へ進んでフィンランドに入国したにも関わらず、標準時が『一時間』早くなります⌚
トイレ休憩に途中立ち寄った『スーパーマーケット』です!外観から想像するよりも品揃えが豊富です!フィンランドの物価もノルウェーに負けず劣らず高いです!フィンランドは『ユーロ圏』のため通貨は『ユーロ』となります!(1ユーロ=¥130)(1クローネ¥15)どちらが高いのやら!若干ノルウェーの方が物価が高いそうです!
スーパーマーケット敷地内のガソリンスタンドに掲示された『ガソリン1ℓ当たりの価格』は『1,64ユーロ』(1ユーロ130円換算)日本円にして『¥213円』!日本でもガソリンは十分高いのですが、この国では更に2割以上も高いのです!
トイレ休憩を終えバスは一路『サーリセルカ』を目指します!フィンランドは『湖』が多い国で有名ですが、数時間の間に目にしただけでもその数は想像以上でした!湖面は薄氷が張ってます!
当バスも『欧州の常識』に従い、雪道を結構な速度で走行してます!
道中『イナリ』に立ち寄りで昼食です!このレストランは日本で言う『民宿』が併設されてます!冬場は長期滞在しウインターレジャー客で賑わうようです!
レストランは湖畔にあり、窓からは『イナリ湖』が一望できます!
昼食を終えバスは再び『サーリセルカ』を目指します!『イナリ』から『サーリセルカ』までは約一時間程の距離です!その道中、『吹雪』のち『晴れ』、『晴れ』のち『雨』、『雨』のち『晴れ』を10分毎に繰り返す大変忙しい天候です!慣れとは言えどバスは吹雪の中でも速度を緩めることなく目的地を目指します!
『トナカイ』に遭遇です!トナカイは雄、雌、両性ともに『角』があるそうです!
雲の切れ間から差し込む太陽の光がとてもきれいです!
『サーリセルカ』到着!
街に入ると土産物店などが建ち並びます!煙突は一体何の工場でしょうか?
土産物屋やバーなどが建ち並ぶ一角に『ハンバーガーショップ』が3件あるそうです!左上の青い建物は『トナカイ』の看板の絵のとおり『鹿肉バーガー』店です!
『サンタズホテル トゥン トゥリ』本日の宿泊先!
室内の様子!『北欧ノルディックスタイル』のシンプルかつスタイリッシュなインテリアです!
バスタブも大きくサウナも設置されております!枕の上に置かれた『ウエルカム飴』がフィンランド的ご愛敬といったところでしょうか!
チェック・インを済ませホテル周辺を散策!管理棟や他の宿泊施設、コテージが建ち並びます!冬場の『サーリセルカ』は長期滞在し『スキー』や『オーロラウオッチング』などのウインターレジャーを楽しむリゾート型観光地です!
地元のスーパーマーケットに立ち寄りました!食料品以外に衣類、日用品、DIYとホームセンター並みの品揃えです!因みにこちらも店もノルウェー国境を越えたあたりで立ち寄った店も、キルケネスで見た店も、看板には『K MARKET』と書かれております!食品スーパーのフランチャイズなのでしょうか?暇なときに調べてみたいと思います!
さて、入口の右壁の壁に『ドル』『元』などの通貨単位が書かれた両替機らしきものが設置されております!海外からの観光客の多さが想像されます!
ノルウェー同様『ワイン』『ウイスキー』など、アルコール度数の高い酒類は、スーパーマーケットの別の場所で販売されております!フィンランドもアルコール飲料に対する規制は厳しいようです!
新鮮な野菜が陳列棚を飾ります!食文化又は気候ゆえか『葉物野菜』は見掛けません!
ハムやチーズなどの加工食品やアイスクリームなど豊富な品揃えです!
アルコール度数の低い『ビール』はスーパーマーケットの内のこちらの売場に陳列されてます!迷うことなく購入です!(ノルウェーと同じくアルコール類の販売は18時まで)この陳列棚の奥が『衣類』や『ホームセンター』の売場です!
買い物を済ませ店を出たら日が暮れてました!風はありませんが内陸部では沿岸部では感じることの無かった寒さに(足元から冷え込むような寒さ)襲われます!
ホテルに戻り夕食を済ませ21時より最後の『オーロラチャンス』を待ちます!
21時より待機場所を移動しながら『オーロラ』を待ちます!
22時『オーロラ』です!氷点下の寒さの中、待ち続けた甲斐がありました!
この画像を見て『想像していたものとは違う』と感じられると思います!画像が粗く鮮明でないのはスマホで撮影した画像なので当然かも知れません!しかし、雑誌や映像で目にするカーテンのような『オーロラ』は最新鋭の機材と技術そして撮影環境、更には気象条件、この全て揃わなければ撮影できず、特に撮影環境と気象条件が整うまでに何日も時間を費やし撮影しているそうでうす!実際に肉眼で見つけるよりも『高感度カメラ』の方が識別しやすいのです!
23時、待機場所から撤収しホテルへ戻ります!ホテル脇のチャペルがライトアップされとてもきれいでした!
部屋に戻り先程のスーパーマーケットで購入した『KARHU BEER』を飲みました!缶のデザインだけを見ると『黒ビール』かと思いましたが、クマの絵に似合わずとても美味しく飲みやすいラガービールでした!また、下段の画像は『ゲイシャチョコレート』!フィンランド人の菓子メーカー社長が『芸者』(げいしゃ)という言葉の響きがお気に召したとの理由でネーミングされたそうです!
明日は帰国です!今日は一日がとても早く感じられました!
最終日に続く!